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働きたいのに介護休暇を利用できず離職する人が増えている

介護離職は女性に多い

高齢化社会が進む今、介護を理由に離職する「介護離職」の増加が社会問題となっています。特に介護離職は女性に多く、本当は仕事を続けたいと思っている人も少なくありません。

介護離職は女性に多い

8割以上が女性

介護と仕事の両立について、総務省が平成24年に行った「就業構造基本調査」によると、働いている人の中で介護をしている人は239万9,000人で、そのうち女性は137万2,000人、男性は102万7,000人で、全雇用者数に占める割合は女性が5.5%、男性が3.3%であることが分かっています。年齢別に見ると、最も多いのは55~59歳です。介護離職を選択した人の介護頻度は、「ほぼ毎日」と回答した人が最も多く、56.1%と半数以上を占めています。また、就業しながら介護をしている人でもほぼ毎日介護をしているという人が35.5%もいます。次いで多いのが「週2~4日」で22.7%です。なお、家族の介護などを理由に離職した人の数は1年間で10万1,000人です。このうち、女性が8万1,200人で80.3%を占めています。年代によって割合の差は若干ありますが、どの年代でもおよそ8割が女性です。このように、介護を理由に現場を離れている労働者の大半は女性であることが分かります。

本当は働き続けたい人が多い

介護離職を選んだ理由として最も多いのは、男女ともに「介護と仕事の両立が難しい職場だったから」です。約6割の人がこの理由で介護離職しています。「自分から希望して介護に専念したいと考えたから」という理由もありますが、2割ほどにとどまっています。つまり、多くの人が介護と仕事の両立を断念し、仕事を諦めている状況なのです。事実、就業の継続意向を調査した際には半数以上が「続けたかった」と回答しています。
仕事を続けながら介護をしている人に両立のために必要な支援の内容を質問したところ、最も多かったのは「出社・退社の時刻を自分で決められる仕組み」でした。次いで多いのが、「残業を減らす・なくす仕組み」「介護サービス利用費用の助成」という回答です。最も希望の多い労働時間に関する制度を設けている企業は全体の56.7%で、環境整備が行き届いていない職場がまだまだ多いことが分かります。「短時間勤務制度」を設けている企業は全体の53.9%で、「フレックスタイム制度」を導入している企業は10.7%しかありません。
介護支援制度の充実度は企業規模にも左右されます。従業員が500人以上の比較的規模が大きい企業は積極的に制度の導入を進めているようですが、5~29人規模の企業は約半数しか導入されていません。そのため、介護支援制度を活用したい場合、現状は規模の大きい企業を選ぶ必要があるといえます。

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