介護休暇は要介護状態にある家族の介護のために取得できる短期休暇制度です。仕事と介護の両立のために、労働者の権利として法的に定められています。取得可能な休暇日数や条件など、基本的な内容を見ていきましょう。
介護休暇で取得可能な休暇日数は、家族1人が対象の場合は年間5日間で、2人以上の場合は10日まで取得可能です。1日または半日の単位で取得できます。取得理由となる「介護」には、食事介助などの直接的な介護以外にも、介護保険の手続きやケアマネジャーとの面談など、間接的な介護も含まれます。なお、2021年からは時間単位での取得も可能となりました。
次に介護休暇を取得するための条件を説明します。介護休暇を取得できる対象者は、要介護状態の家族を持つ、雇用期間が6ヵ月以上の従業員です。正社員やパートなど、雇用形態に関係なく取得可能です。なお、要介護状態は「身体上・精神上の障害や病気などによって、2週間以上の期間にわたって常時介護が必要な状態」と定義されています。「座位保持」「歩行」「移乗」「水分・食事摂取」「排せつ」「衣類の着脱」「薬の内服」「意思伝達」「日常の意思決定(日常生活における活動に関する意思決定能力)」など、日常生活に必要な行為をどの程度自力で行えるかをチェックし、一定の基準を越えた要介護状態の家族がいる従業員が取得できます。家族との続柄は、「配偶者(事実婚を含む)」「父母(養父母を含む)」「子(養子を含む)」「配偶者の父母」「祖父母」「孫」「兄弟姉妹」に限られています。
なお、介護休暇を取得できないケースとしては、「日雇い労働者」「雇用期間が6ヵ月未満」「1週間の所定労働時間日数が2日以下」「半日単位で介護休暇を取得することが困難な業務に従事する場合」などが挙げられます。
介護休暇中の賃金については定められていません。そのため、勤めている会社の規定に従うことになります。無給の場合もありますので、取得の際はあらかじめ就業規則を確認しておきましょう。
申請方法については、当日に口頭でも申請可能とされています。ただし、申請書が用意されているケースが多く、診断書などを必要とする場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。あくまで会社に対して申請する制度なので、会社のルールに沿って取得する必要があります。実際に介護休暇を取得する際は、申請方法や必要書類などを確認しておくと安心です。以下に厚生労働省の公式ページを紹介しますので、あらためて制度の内容を確認しておきましょう。
こちらのページに介護休暇の取得対象者や活用のポイント、取得日数や単位などがまとめられています。 |